学士入学体験記



       

【仕事探し】
私は「入学から卒業まで、親からの援助は一切してもらわない」と決めていた。援助してもらいたくても援助できる状況にないというが一番の理由だった。大学生が生活費、授業料をすべて自分で稼ぎつつ、学業を続けるのはかなり大変である。 私が二部を選んだのには理由がある。授業料が一部の半額であることと、昼間時間が取れるので単価の高い技術系のアルバイトができると考えたからだ。
私は入学前から独学や研究で培ったプログラミングの知識があった。そこで、コンピュータ関係の仕事ならできるのではないかと思い、入学してしばらくしてから、プログラマの仕事に応募し続けた。ところが、大学のある場所が都心から離れているということもあり、応募できる数も限られ、仕事を見つけることはできなかった。
そんな時、授業でお世話になっていた教授から「うちの研究室で働かないか」というお誘いを受けた。勤労学生としての生活が始まった。

【研究補助の仕事1(1年目前期)】
仕事の内容は、研究用の画像解析プログラムの作成とその補助作業だった。入学からわずか数ヶ月だったので理論は全くといっていいほどわからなかったが、幸い、使われていた言語が少しかじったことがあるC言語だったので、何とか言われた通りのコードを書くことはできた。仕事も授業も同じ大学ということで、昼間仕事をし、夜は授業というちょっと変わった勤労学生の日々だった。しかし、この仕事は研究費の関係で2ヶ月だけの短期の仕事だった。そこで契約が切れる前に次の仕事を探し始めた。時給制とはなっているが、実際には月給で月給14万円程度だった。

【研究補助の仕事2(1年目後期〜3年目後期)】
研究補助の仕事の契約が切れる前になってから、他の研究室で働けないかとプロジェクトをやっている教員にメールで問い合わせたりした。しかしながら、あまりよい反応はなかった。そんなとき、ある求人サイトを通じて、「うちで働かないか」というメールが送られてきた。送り主は某有名大学の医学部の助教授だった。遺伝子解析の補助システム、研究支援システム、簡単な制御装置の開発をした。当初は週4日程度、途中、週1日になり、最後は週2日程度働いた。研究費削減を理由に解雇された。時給1200円だった。

【研究補助の仕事3(2年目後期)】
ある日突然、学士入学する前の大学の恩師である教授から、メールが届いた。その教授があるプロジェクトをやっていて「そのプロジェクトで働かないか」というお誘いだった。 プロジェクト内でのシステム開発の仕事だと思い、働き始めたのだが、実際は開発は外注にやらせていて、私はデータ整理や文献探しの仕事を与えられた。あまり得るものはなかったが、日給19000円という破格の給料だったので任期が切れるまで続けた。この仕事をするために、卒業を1年延ばすことになったが、結果的に学業の負担が減り、だいぶ楽になった。

【プログラマの仕事1(3年目前期〜3年目後期)】
研究補助の仕事の期限が切れたので学生向けのアルバイト探しのWebサイトで見つけたプログラマの仕事をすることになった。自分の研究や趣味、研究補助でプログラミングをやっていたので、ある程度自信があったのだが、その自信は1日目で消えた。大部分がバグ修正の仕事で、ありとあらゆる案件を次々にこなした。1年弱働いたとき、進捗の遅れが原因で突然解雇された。毎日、新しいことを勉強しなければならず、くたくたになるまで働き、本当に大変だったが、いろいろな技術を身につけることができた。給料は時給1500円という満足できるものだった。

【日雇い派遣の仕事(4年目前期〜4年目後期)】
プログラマの仕事と研究補助の仕事をほぼ同時期に解雇されたので、新しい仕事を探すことになった。ちょうど就職活動をしなければならない時期と重なり、求人サイトや職安に行っても希望の条件では見つからなかった。藁をもつかむ思いでたまたま検索サイトで見つけたのが、日雇い派遣の仕事だった。小さい派遣会社だったので、派遣先も限られていたので、ほぼ固定の派遣先で働いた。仕事内容は財閥系の倉庫でPC関連の製品のピッキングと梱包の作業だった。たまには、引越や移転の仕事もやった。日給7000円〜8000円だったが、交通費は支給されないので、実質6000円〜7000円だった。

【プログラマの仕事2(4年目前期〜4年目後期)】
日雇い派遣だけでは給料も安いし、生活ができないと思い職安で別の仕事を見つけた。プログラマの仕事だったが、時給950円という日雇い派遣とほとんど同じ給料水準の仕事だった。以前、プログラマの仕事をやっていた経験が生かせたこともあり、仕事はそれほど大変ではなかった。最終的には時給1100円まで給料を上げてもらった。


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